IT業界にいると、「SESは底辺だ」といった言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。
確かにSESエンジニアは、多重請負構造の中で働くことが多く、商流が深くなるほど単価が削られてしまいます。その結果、スキルや努力に見合った評価や報酬が得られにくいという現実もあり、悲しいのですが「底辺」と言われてしまいがちなんですよね。
しかし、転職という視点で見れば、SESは決して底辺ではありません。
むしろ、SESで積んできた経験は、転職活動において大きな強みになるんです。
では、SESでの経験が転職でどのように活きるのか、具体的に見ていきましょう。
SESだからこそ語れる、転職で活きる意外な強み
圧倒的な現場経験と適応力
さまざまな業種やプロジェクトに携わる機会が多く、そのたびに新しい技術や環境への適応が求められるのがSESエンジニアです。こうした経験を重ねる中で、自然と変化への対応力や柔軟な思考が養われていきます。
また、複数の企業文化に触れることで、異なる価値観や働き方にもスムーズに馴染む力が身についていますので、転職先でも早期に環境に順応できる即戦力として評価されやすい傾向があります。
優れたコミュニケーションの能力
SESエンジニアは、顧客企業のチームに外部メンバーとして参加しながらも、プロジェクトを円滑に進めなければならないため、密なコミュニケーションが欠かせません。そのため日々の業務の中では、お客様とのやり取りやチーム内での調整を通じて、相手の意図を正確にくみ取りつつ、自分の考えを的確に伝える力が自然と鍛えられていきます。
こうして培ったコミュニケーション能力は、転職先でも良好な人間関係を築き、チームで成果を上げるための大きな武器となります。
幅広い技術知識が生む応用力
SESエンジニアは、複数のプロジェクトに携わる中で、幅広い技術や業務知識に触れる機会が豊富にあります。
こうした経験を通じて、技術同士の関係性や仕組みの違いを横断的に理解する力が養われ、より本質的な課題解決ができるようになります。たとえばフロントエンドとバックエンド、両方の業務経験があれば、システム全体を俯瞰しながら、構成の最適化や設計提案ができますよね。
このように、幅広い技術に触れてきた経験は、エンジニアとしての視野を広げ、今後のキャリアを広げる大きな土台にもなります。
SESエンジニアが転職するメリット
SESエンジニアが転職することは、単なる職場環境の変化にとどまらず、エンジニアとしてのキャリアの幅を広げる大きなきっかけになります。ここでは、転職によって得られる代表的なメリットを3つの視点からご紹介します。
収入アップのチャンス
スキルや経験を正当に評価してくれる職場に転職できれば、年収アップにつながるチャンスは十分にあります。
SESエンジニアとして現場で培ってきた実践力や対応力は、転職市場でも評価されやすく、市場価値の高まりに比例して報酬も上がりやすくなります。
実力に見合った報酬を得られるようになれば、仕事への満足感やモチベーションも自然と高まるはずです。
技術的専門性の向上
SESエンジニアとしてさまざまなプロジェクトを経験すると、自分の得意分野や興味のある技術が見えてきますよね。
どの分野でキャリアアップしたいかを明確にできれば、その分野に特化した業務領域や技術に強みを持つ企業に転職することで、専門性をより深めることができます。こうして自身の技術を磨きながら長期的なキャリアを形成することで、市場価値もさらに高まるでしょう。
また、自分だけの「強み」を育てることで自信がつき、仕事にやりがいを感じられるようになるはずです。
キャリアパスの多様化
さまざまなプロジェクトに携わってきたSESエンジニアは、転職によって自身のキャリアを広げることができます。
たとえば、プロジェクト全体の進行管理に関心があれば、プロジェクトマネージャーとしての道がありますし、お客様とのコミュニケーションに強みがある方であれば、ITコンサルタントや要件定義など、上流工程を担うポジションへのステップアップも可能です。
このように、自身の志向や得意分野に合ったキャリアパスを転職によって実現できます。
転職する際のポイント
ここまでSESエンジニアが転職する際の強みやメリットをお伝えしてきましたが、理想的な転職を実現するためには、いくつか意識しておきたいポイントがあります。
転職活動を進める上での判断軸や、事前に確認しておくべき事項をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
客観的視点を持ち、自分と転職先の相性を見極める
これまで積み上げてきたスキルや経験が、転職先の企業や、自分が今後挑戦したい仕事にどう活かせるのか。そして、その転職が自分の目指すキャリアにきちんとつながっているのかを確認することが大切です。
また、転職先の企業が求める人物像と、自分の強みや経験にズレがないかもあらかじめチェックしておきましょう。
単に「やりたい」だけでなく、「自分にできること」と「相手に求められていること」の両方を意識し、客観的な視点を持って転職活動に臨めば、短期間かつより良い条件で転職できる可能性が高まります。
キャリアの軸を持ち、条件だけに惑わされない
求人票や企業の採用サイトでは、「高単価」「在宅勤務OK」など、魅力的な情報が多く掲載されていることがあります。しかし、そうした条件だけに惹かれて転職先を選んでしまうと、長期的なキャリア形成を考えたときに、ミスマッチが生じる可能性があります。
また、実際の配属先では、求人情報に記載されていた条件と実態が一致しないかもしれません。
転職を成功させるためには、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを明確にし、その軸をもとに転職先を検討することが大切です。どんな技術や業務に携われるのか、どのような働き方ができるのかを事前にしっかり確認し、面接でも具体的に質問できるよう準備しておきましょう。
SESエンジニアが好条件で転職できる転職先とは?
これまで、SESエンジニアとして培ってきた強みや、転職のメリット、そして注意点についてお伝えしてきました。これらを踏まえて、次に気になるのは「自分にとって本当に良い転職先とはどんな企業なのだろう?」という点ではないでしょうか。そこで、この章では、SESエンジニアにとって好条件で転職できるかもしれない転職先を具体的にご紹介していきます。
SaaS企業への転職
SaaS企業とは、自社で独自のサービスやプロダクトを企画・開発・運営している企業です。
SaaS企業は、エンジニアに長期的な視点で開発に取り組んでもらうことを重視しています。SESエンジニアとして複数の現場を経験してきた方は、さまざまな技術や業務に触れ、柔軟な対応力や実装力を身につけているため、そうした企業から「即戦力」として高く評価されやすい傾向があります。また、自社サービスではチーム内での継続的な改善や提案も求められるため、プロジェクトごとに異なる文化や工程を経験してきたSESエンジニアの視点は貴重です。これらの理由から、SaaSは企業はSES出身者を積極的に受け入れるケースも多く、スキルや経験次第では好条件での転職も十分に期待できます。
SIerへの転職
SIerは、お客様の課題解決や業務改善のために、システムを構築・運用する企業です。
SESでの経験を活かしやすく、大規模なプロジェクトに携わることで、技術力やプロジェクトマネジメント能力を高めることができます。SIerでは、システム開発の上流から下流まで全工程を経験でき、エンジニアとしての総合的なスキルアップに直結します。特に、非機能要件の深掘りや複雑なシステム間連携の設計、さらには複数ベンダー間の技術調整やオフショア開発の技術統括など、より高度な役割を担う機会も豊富です。
社内SEへの転職
社内SEは、自社のIT部門で自社のシステムの運用・保守や開発を担う職種です。
SESで培ったスキルや知識を活かしながら、腰を据えて働きたい方にとっては、有力な転職先候補の一つといえるでしょう。
さまざまな企業やプロジェクトを経験してきたことで身についた、柔軟な対応力や幅広い視野は、社内SEとしても大きな強みになります。特に、業務全体を俯瞰し、効率化や改善提案を行う場面では、実践的な技術力と多様な現場での経験が活きてきます。こうした背景から、SESエンジニアは社内SEの現場でも即戦力として高く評価されやすい傾向があります。
ITコンサルタントへの転職
ITコンサルタントは、多様な業界のクライアントに対してIT戦略の立案やシステム導入の支援を行う専門職です。
SESエンジニアとして培った幅広い業界知識や多様なプロジェクト経験は、クライアントごとに異なる課題や業務内容を理解するうえで大いに役立ちます。さらに、現場での実務を通じて身につけたクライアントとの円滑なコミュニケーション力や課題解決に向けた提案力も、ITコンサルタントとしての仕事で活かせる重要なスキルです。
また、ITコンサルタントはDX推進や最新のAI・データ分析技術を活用した戦略立案にも関わり、ビジネスと技術の両面に精通した高度な専門性が求められます。こうした理由から、ITコンサルタントへの転職は、これまでの経験や強みを活かしながらキャリアの幅を広げたいSESエンジニアにとって、非常に魅力的な選択肢の一つといえます。
優良SES企業への転職
優良SES企業への転職は、SESで培った経験を活かしながら、より良い環境で成長を目指すうえで有効な選択肢の一つです。
特に、プライム案件を多く手がける企業では、要件定義や基本設計といった上流工程に携われる機会が豊富にあります。お客様と直接やり取りしながら課題解決に取り組む中で、アーキテクチャ選定や技術的実現可能性の検討、複雑な技術課題への対応といった高度なスキルが求められるため、より実践的な成長が期待できます。
また、優良なSES企業はエンジニアのキャリア志向に応じたアサインや丁寧なフォロー体制を整えている企業も多く、安心して働ける環境が整っています。そのため、SESとしての働き方を続けながら、より高いレベルを目指したい方にとっては、優良SES企業は有力な転職先候補の一つとなるでしょう。
SESエンジニアとしての経験を活かし、理想の働き方と条件を実現する転職をしよう
IT業界で「SESは底辺」という声を聞くことがありますが、それは誤解です。多くのSESエンジニアは現場で即戦力として活躍し、その経験は転職市場で高く評価されます。現場で培った対応力や幅広い技術力を武器に、年収アップや希望分野へのキャリアチェンジなど好条件の転職も十分可能です。SESでの経験は「成長の土台」として、自分の市場価値を見直す大きなチャンスです。これまでの経験を活かし、理想の働き方と条件を手に入れましょう。
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まとめ
〇SESの経験は転職で強みになる
SESエンジニアとして培った豊富な現場経験と適応力、コミュニケーション能力、幅広い技術知識は、転職市場で高く評価される!
〇SESエンジニアが転職するメリットも多数
転職することで、収入アップや技術力の専門性向上、さらにはキャリアの多様化といった幅広いメリットが得られる。これらは単なる職場環境の変化にとどまらず、エンジニアとしての成長や可能性を広げる重要な一歩となる。
〇転職する際の注意点
転職を成功させるには、自分のスキルが転職先に合うか冷静に判断することが大切。求人条件だけで判断せず、将来のキャリアの方向性や働き方・業務内容を事前に確認しておくことで、ミスマッチを防ぎやすくなる。これらを意識すれば、良い条件での転職が実現しやすくなる。
〇SESエンジニアが好条件で転職できる転職先
SaaS企業、Sler、社内SE、ITコンサル、優良SES企業など、SESエンジニアとしての経験を活かせる好条件で転職できる転職先は多く存在する。
自分のキャリアを考えて選ぶことが大切!